公務員試験制度
公務員試験は、大きく分けると1次試験の筆記と2次試験の面接の2段階試験で実施されています。つまり、筆記試験に合格した者だけが面接試験に進むことができます。
そして、1次試験と2次試験の結果が点数化され合計点によって合否が決定されます。
1次試験(筆記)
公務員試験の1次試験は、五肢択一の「教養試験」・五肢択一と一部試験では記述が含まれる「専門試験」・論文といった試験科目が代表的です。
1次試験では公務員として相応しい知識や知能があるかが問われる試験となっています。科目数が多いことや、各科目の出題範囲が広いことから効率的な学習が求められます。
ただし、公務員試験専門学校に通えば学習期間は半年~1年半程度で合格レベルまで到達させることは十分可能です。
例)教養科目の試験科目 | |
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一般知能分野 | 数的処理・文章理解 |
一般知識分野 | 社会科学・人文科学・自然科学・時事 |
2次試験(面接)
公務員試験の2次試験は、1次試験に合格した人を対象に「人物試験」として個別面接・集団面接・集団討論などが行なわれます。
2次試験で行なわれる面接試験は一般的な就職面接で個別形式の場合が多いです。20分~30分の間に志望動機や自己PRなどが主に質問されます。
近年の傾向としては人物試験が重要視されており面接カードの書き方や質問に対する受け答えなどしっかりと対策を行なっておく必要があります。
公務員専門学校に通う人は模擬面接を利用できるので必ず受けて実践力を養うようにしましょう。
例)専門科目の試験科目 | |
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法律科目 | 憲法・民法・行政法 |
経済系 | ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学 |
政治系 | 政治学・行政学・社会学 |
公務員試験の主な流れ【例:国家一般職(行政職)の場合(H24年度大卒程度)】
1年~2年かけて公務員講座などで受験対策 | |||
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4月 | ・・・ | 出願手続き | 人事院で募集要項入手→出願 |
↓ | ※資格の予備校や公務員専門学校で最後の追い込みをかけます。 | ||
6月 | ・・・ | 第一次試験(筆記) | 【午前】教養試験 【午後】論文試験 専門試験 |
↓ | ・・・ | 第一次試験合格発表 | 合格すると二次試験へ進みます。 |
↓ | ・・・ | 官庁業務合同説明会 | 各地域で開催。入手した情報を基に希望の省庁・出先機関を決定。 |
8月 | ・・・ | 官庁訪問 | 希望の官庁へ訪問。事実上の最初の面接試験。 |
↓ | ・・・ | 第2次面接 | 年々人物重視の傾向強まっています。 |
↓ | ・・・ | 最終合格 | ここで公務員試験の合否が決まります。 |
9月 | ・・・ | 採用面接 | 各省庁で実施し、各々のニーズに合致する人材に内定を出す。 |
↓ | ・・・ | 身体検査 | 業務に支障ないか身長、体重、視力、聴力を検査。 |
希望の職種へ採用 |
国家一般職と地方上級の公務員試験制度を比較
ここでは、受験者数が多くて人気の高い大卒程度の国家一般職と地方上級の公務員試験制度について解説していきます。
国家公務員試験と地方公務員試験の違い
公務員試験の専門科目は大きく分けて法律系・経済系・行政系の3つに分かれますが、出題科目は異なってきます。
国家公務員試験の国家一般職の場合は、16科目中8科目選択という方式を採用しているため、自分が解きやすい科目に絞って対策できます。
いっぽう、地方公務員試験の場合は自治体によって出題科目は異なってきます。
しかも、「全国型」「関東型」「中部北陸型」「その他」と型別に分かれているため、自分が希望する自治体の型に合わせて科目対策をする必要があります。
つまり、地方公務員試験を受験する人は、勉強を始めるにあたり志望の自治体をまず決定して対策していく必要があります。
地方公務員試験は併願受験が難しい
大学入試の場合は、私立は併願受験によって合格するチャンスを増やしたと思いますが、地方公務員試験の場合は難しいので注意が必要です。
というのも地方公務員試験の場合は東京都を除く全自治体(道府県および政令都市)の試験日が同じ日程で統一されているのです。
つまり、東京都と神奈川県は併願できますが、神奈川県と埼玉県を併願することは不可能だということです。
東京都でも東京都Ⅰ類と東京都特別区は同じ日程なので併願できません。
したがって、地方公務員試験を受験する人は「地方上級と東京都」「地方上級と国家一般職」「地方上級と東京都と国家一般職」のいずれかで併願を行うのが一般的となっています。
ただし、地方公務員試験でも地方上級と地方中級であれば、日程が異なるので併願は可能となります。